さあ、メルカリのゴミ出品者から買ったゴミSGを使えるギターにしていきますよ!
まずは以下二つの致命的な部分から手をつけていきます。
1. ヤマハ専用品しか使えないブリッジ &テイルピース
2. 順反り&回し切っているロッド
これらを順に片付けていきます。
1. ヤマハ専用品しか使えないブリッジ &テイルピース
まずはここから。
ヤマハ専用品しか受け付けないブリッジ&テイルピース、もうこれは汎用的なTOMに打ちかえます。
純正品へのこだわりがそこまでないということと(ってか高いし)、後々ブリッジが傷んで交換したい場合、気軽に汎用品を使いたいと言うことが理由です。
そうと決まればまずは作業に邪魔な電装系を除去していきます。
ポットやノブがあると穴あけ作業時に邪魔ですからね。
で、裏蓋を開けるわけですが・・
さすが天下のヤマハだなと思ったのがこれ!
このボルトなんだと思います?
このボルトはポット類のアース ケーブルが繋がれており、その先端はテイルピースのアンカーまで達しているんです。
つまり確実にアース が取れるようになっていると言うわけです。
通常のTOM搭載ギターですとアンカーからアース線が来ており、それをポットに接続することでアースされていますが、アンカーとアースはただ密着しているだけなので、アースが十分に取れていないこともあります。
一方、ヤマハのこのシステムでは確実にアースが取れます。
本当に素晴らしいアイディアだと思います。
40年前の先人たちの知恵に心を打たれました。
このシステムは捨てずに使います!
またこの個体には、純正のバイサウンドシステムが残っておりましたのが、摘出していきます。
ポットはプッシュープッシュ式になっており、2つのハムバッカーのタップ&組み合わせで多彩な音色を出せるようになっていたようです。
Jimmy PageのLes paulみたいなものかと想像します(多分)。
自分はギター側での音作りをあまりしないので、捨てて通常のLP仕様にする予定です。
よくよく考えると40年前のポットってすごいですよね・・
どんな音がするのか試せばよかった・・
さてここから手術開始です。
純正テイルピースのアンカーを抜きます。
アンカーを抜くには図のような感じで抜きます(伝われ)。
ソケットを介してボルトをアンカーに締め込んで行くと、あるところでボルトの頭がソケットに引っかかり、そこからは締め込むことででボルトがアンカーを引っ張ってくれるというわけです。
ホムセンでアンカーに適合するボルトを購入しようと思ったのですが、ここで奇跡が。
前述したアース 用ボルトがちょうどジャストサイズ。
これをラチェット用ソケットを介して突っ込んでいきます。
ソケットがボディに食い込んで傷になるといけないので養生した上で作業しました。
これは途中の写真ですね。意外とアンカーは長いです。
そして、この通り無事摘出。
最後の「スポッ』が気持ちいいです。
40年ぶりにシャバに出たアンカー。
貫禄があります。
アンカー&ブリッジ用の穴は一旦ダボで埋め木します。
このダボはホムセンで購入しました。
流石にジャストサイズではなかったのでペーパーで削りながら徐々に穴にフィットさせていきます。
大体いいサイズになったら、タイトボンドを塗ってハンマーで打ち込みます。
タイトボンドはもちろん定番の赤です。
翌日にはタイトボンドが乾燥しているので頭をノコでカットします。
ノコはオルファのクラフトのこが私は好きです。 ノコギリの刃が薄く、局面にもなじむからです。
その後、TOMの寸法に合わせて穴あけ&アンカー圧入をします。
我が家にはボール盤がないのでホムセンのDIYコーナーを使わせていただきました。
他の利用者の方が机とか棚とか椅子を作っている中で、1人ギターを持ち込んだ自分は完全に変人扱いでした。
結構そそくさと作業したので写真はありません・・
ですが、ご覧のようにTOMへの打ちかえが完了しました。
ブリッジとテールピースは信頼と安心のGOTOH製をチョイスし、仮組みです。
完璧です・・・。
見事ヤマハ専用ブリッジ&テールピースを汎用TOMに打ち替えました!
2. 順反り&回し切っているロッド
さて、お次はネックのケアです。
このSGのネックは本当にひどいです。
ストレートアングルを当ててみると、ひどいところでは4 mm程度空いています。
もちろんロッドも終わっています。
「ネックはストレートでロッドも余裕あります^^」とかほざいていた出品者はファッキンですね。
このレベルになると、いわゆるネックアイロンが必要なレベルなのですが、ネックアイロンは非常に高価です。
6-7万円なんてこのギター2本分ですからね。
ショップに頼んでも数万円とのこと。
ゴミSGに投資できる金額ではありません・・。
何とかならないものか・・・ちょっと頭の中を整理します。
まずはネック補正の原理を考えますが、下記の流れとなります。
1. 加熱による軟化
ネックを加熱すると、木材そのものと指板/ネック間の接着剤が軟化して変形しやすい状態になります。
2. 加圧による補正
1で軟化したネックに圧力をかけ続ければ、木材や接着剤はクリープ変形し、任意の変形を与えることができます。
3. 冷却による形状固定
2を冷却することで変形を固定化できます。
ということはクランプ 、スペーサー、熱源さえあれば誰でもできると言うことになります。
ここで一番の問題は熱源の確保です。
ネックを均一に温められるオーブンのような物が欲しくなるわけですが、そんなものは家庭に存在しません。
ここで悪い頭を捻って閃いたのが「クルマ」でした!
夏場の車内は地獄のような温度環境になります。
その温度は最大80-90度程度と言われていますが、もはやこれはオーブンです。
これを利用しない手はありません。
そうと決まれば下図のようなネック補正ジグを作ります。
まずは締め切ったロッドを完全に緩めてジグをセットします。
次にヘッド側とボディ側にスペーサーを入れた上で、アルミのアングル(ホムセンで購入(カットも依頼))を載せます。
次いで反りの中心が逆反りするまでクランプ で締め込みます。
クランプはホムセンで色々試して下記をチョイスしました。
この状態で真夏の車内に2週間放置します。
2週間後の結果は・・
完璧です・・・
ストレートアングルに対して3-4 mmくらい空いていた場所がほぼ0-0.5 mm程度になっています。
ここまで戻せれば後はロッドで微調整できそうです。
ゴミSGがゴミではなくなってきました!
士気あげあげで次回、塗装編です!